2016年06月21日 お知らせ

平成28年度通常総会報告

平成28年度通常総会報告

 

(米粉懇話会ではグルテンフリーでのディスカッションを開催)

 

NPO法人国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)は6月8日(水)、衆議院第2議員会館第1会議室で「平成28年度通常総会」と「米粉懇話会」を開きました。同総会では、提出した7議案を承認し、懇話会では、「世界のトレンド 米粉de グルテンフリーレシピの魅力」と題し、ホテル総料理長と米粉料理コンテストの受賞者が、アレルギー対応食品や健康志向、グルテンフリーレシピの魅力などを披露しあいました。


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2016総会会場写真HP用

 


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通常総会には、議決権を持つ正会員ら40人余りが参加しました。まず、主催者を代表して島田圭一郎理事長があいさつをしました。

米粉需要拡大へ、新たな発展の道を切り開こう

 2008年にNPO法人国内産米粉促進ネットワーク(CAP.N)を設立して以来、8年間にわたり運動してまいりました。貴重な我が国の水田機能を生かしながら、米粉の生産と普及を通じて農家に元気を与えようと取り組み、食料自給率の向上につながる多様な運動を展開してきました。

現下の米粉用米の生産量は、政府の基本計画による目標10万㌧に対し、3分の1弱と厳しい現実にあります。しかし最近の新しい流れや消費者ニーズを見れば決して悲観するものではありません。今日は新しい発展への重要な転換期を迎えているのではないかと思っております。これからも気を緩めることなく、国民的広がりのある運動にしなければならないと思っております。

例えば、この3年間、CAP.Nは全国規模の米粉料理コンテストに取り組んできました。主婦の方から専門家まで多数の参加をいただいていますが、そのうちの約6割は、高校生や専門学校生等の若い人たちです。応募作品についても審査員の先生からも「米粉でこんな料理ができるのか」と評価されるなど、年々米粉料理の完成度、技術力が高まってきたのが現実です。こうした人たちが全国各地に広がり、原動力となっていることは大変嬉しいことでもあります。当初は多くの人が、米粉は小麦粉の代替品ではないのか、と思われていましたが、そうではなく、それをきっちり遮断し、米粉ならではの特性を生かした商品を提供することによって、大きな感動が広がっています。

また、熊本地震の被災地では、若いお母さんたちは子どもたちのための離乳食が、また高齢者の方々は食べやすい介護食がないという中で、米粉を活用した商品を提供したら大変喜ばれたと話題になったことも伝えられています。会場にそれらのサンプルが展示されています。

こうしたことを考えると、米粉食品は新たにた介護食とか離乳食、非常食としての分野も今後拡大できる大きな可能性を秘めていると思っております。さらに、世界的に見ると、最近は、グルテンフリー米粉食品、グルテンフリー食品を食べようという流れがあります。米仏では前年比20%台増という高い伸びを示している分野です。米粉は食べながらダイエットできる、健康を保つことができる、精神の集中力を高めるなど、グルテンフリー食品を食べることによって米粉の機能性が見直されています。

このような状況を踏まえて今年度は何を為すべきか。全国規模の米粉料理コンテストは、今年も行いたいと念願しております。これは国の事業のコンペですが、果敢に挑戦して、ぜひ実現したいと思っております。さらに今年度は、新たに国の事業として、米粉の用途別基準づくりとグルテンフリー表示について検討していきます。この事務局をCAP.Nが担うことは決定しております。これから1年間かけて 専門家を交えて協議を重ねていきます。こうした取り組みを通じて、一歩、一歩、前進して、新たな道を切り開いてまいります。宜しくお願い致します。


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総会に引き続き、「世界のトレンド 米粉de グルテンフリーレシピの魅力」~ホテル総料理長と米粉料理コンテスト受賞者が語る~と題した「米粉懇話会」が開かれました。その中で、4人の受賞者はグルテンフリーの受賞作品を紹介しつつ、米粉を使う利点やレシピ開発の要点などを説明し、約60人の参加者は熱心に耳を傾けていました。

(米粉懇話会出席者)

・井田仲弘氏(ホテルメトロポリタン総料理長)

石井ゆか氏(第2回全国米粉料理レシピコンテスト全国グランプリ受賞)

中村祐希氏(第2回全国米粉料理レシピコンテスト関東・甲信越地区大会準グランプリ受賞)

・羽生雅代氏(第2回全国米粉料理レシピコンテスト関東・甲信越地区大会優秀賞・家庭向け受賞)

・林 秀和氏(第3回全国米粉料理コンテスト関東・甲信越地区大会特別賞・食物アレルギー対応レシピ受賞)

・進行:萩田 敏(CAP.N副理事長)


2016総会パネラー写真hp用

 

〇井田さん:米粉は中華やカレーなど幅広いメニューに使えるのがいい。米粉料理の印象を高めるためにも、美味しく見せるための色彩を豊かにし、食欲をそそるアレンジも大切です。米粉で揚げた油は何回でも使える。燃費の面でも利点がある。ホテルの65%が外国人客の今日、料理人のプロとして安全、安心の食物アレルギー対応表示してこそ一流ホテルの証しになります。これからも米粉の魅力を伝えていきたい。

 

〇石井さん:米粉は一緒に入れても味のじゃまをしません。小麦粉を使って混ぜたりこねたりするとグルテンが出ます。米粉だと、小麦粉を使うより生地が固まりやすく、短時間で簡単に調理ができます。米粉にはグルテンが含まれないから簡単に料理ができます。そこが小麦粉と違います。スーパーではグルテン入りとグルテンなしの米粉があり、買い物もはしごしないと手に入らないのが現状です。

 

〇中村さん:和でも洋でもどちらでも合うのが米粉。もちもち感も魅力の1つで、から揚げ、てんぷらは翌日になってもサクサク感が残ります。小麦粉ではできない。食物アレルギーに配慮しながら、一般の人でも美味しいと思う食品をつくることは大変ですが、米粉なら美味しいものでも手軽に作れると感じています。どんな米粉が料理に合うのか、表示されていると消費者にとっても分かりやすいと思います。

 

〇羽生さん:米粉料理は簡単にでき、シチューも、あまり失敗のないのが魅力です。子どもでも簡単に作れます。ただ、粉が違うと水分調節が難しいですね。米粉も使う用途によって変え、分かりやすい配合で表示してあったら使いやすいし、手にとりやすいと思います。主婦の目線からも望みたいですね。小麦粉と同じく、強力、中力、薄力みたいな表示基準があるといいと思います。

 

〇林さん:受賞作品で工夫したことは、米粉の皮は薄くし、伸ばしやすくして作った肉まんを、かわいい豚の顔の形にして、アレルギーの子どもたちに喜んでもらえるようにしました。具材には子どもたちが好きなスートコーンを使いました。小麦アレルギーのお子さんをもつお母さんは本当に苦労しています。ケーキ出されても食べたことがない。病院食として米粉麺、米粉パンを提供して喜ばれています。


2016総会懇話会レシピ集合HP用

 レシピのPDFはここをクリック

 

 座談会終了後、会場からも意見が寄せられました。

・「米粉食品をもっと学校給食で活用したら米粉消費が伸びる、米粉パン以外でもケーキ、特にカステラなどスポンジに向く。小麦粉で作らなくても、米粉で多彩な料理ができるようになった。

・製粉メーカーは、この粉にはこんな料理が合うとか、レシピをつけて販売するなどの提案を望みたい。

・米粉の規格基準(区分表示)については、名称が難しい。大きく3分類ぐらいが適当と思われるが、例えば、松竹梅とか甲乙丙、ABCとかなると、(優劣の)順番のような印象が強くなる。小麦粉はタンパク含量で強力、中力、薄力と区分されているが、米粉についても、名称自体はこれでもいいのではないか。ただ、粒度分布をどこで切るのか、加水率の違いのどこを基準にするのかなど、課題はある。

 

 なお、今回懇話会には第3回全国米粉料理コンテストにおいて全国グランプリを受賞されました秦千晴さんが大分からご参加いただきました。懇話会がより一層充実しました。ありがとうございました。

2016総会秦さんHP用

 


 

懇親会で情報交換

通常総会、米粉懇話会終了後、衆院第2議員会館地下食堂で懇親会が開かれました。「懇話会」パネリスト、製粉会社、製粉機械メーカー、広告代理店、専門紙記者、それにCAP.N役員など関係者30人余りが、米粉の需要拡大に向け、熱心に意見交換し、親睦を深めました。

2016総会懇親会集合HP用

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