『料理教室で米粉レシピ普及に貢献』

 金沢は山あり、海あり、土も良しで、美味しい食べ物の条件が全部そろったところです。特産の加賀野菜は、京野菜にも負けず劣らずで、お米とも相性があいます。最近は、米粉をアレンジするとレシピが浮かび、夜も寝られないくらい睡眠不足になるいくらいです。

 

 最初は、郷土料理研究家としてスタートし、料理教室を始めました。そこで米粉に出会ったのは7年前です。当時はまだ、米粉料理の資料も何もない時代で、米粉を使ったレシピを依頼されましたが、頼む人も不安気に「できる?」・・「やれますよ」と言ったものの、上新粉と何ら変わらない、単なるうるち米を粉にしたものとのイメージしかなく、教える側の立場にありながら、全く知識がなく、毎日眠れなくなり、悶々としていました。

 

 不安のなかでのスタートでしたが、1年経って、米粉で試作しました。いろいろなものに利用できる。石川県生活研究グループ協議会からの依頼で、イカと夏野菜の南蛮漬け、夏野菜スープにも、まんじゅうも米粉で美味しい料理ができることが分かってきました。レシピも増え、皆様に米粉の知識が深まるレシピを指導する機会が増えました。

 

 4年前には、介護者のための学校の料理教室で、誤嚥(ごえん)する食品レシピに、米粉でとろみやしっとり感を出すレシピを指導し、喜ばれました。反響もよかったことから、米粉料理にますますはまってきました。金沢市のエコライフ料理教室では、米粉生地でピザを作る際、生地に水の代わりにヨーグルトを使ってこねたら、お米のおこげのにおいが消え、またトマトソースではなく、お米にはみそだろうと、みそソースを使ったら好評でした。米とみそとよく合うのですね。すごく受けました。

 

 この3年間は、米粉を使ってフライパンで手軽に出来る地産地消メニュー、米粉尽くしでバレンタイン、親子で楽しくできる米粉の軽食は、毎年続くイベントになっています。小麦粉に比べ触食感、手触りが違うと好評です。米粉をテーマにすると、1回受けた人はまた来年も、と参加人数も増え、人気の教室になっています。県などが主催する指導者向けの勉強会でも、米粉料理をやって欲しいと要望があり、参加者からは、こんな美味しいものがこんなに簡単にできるのか、と、参加する人のレベルが上がってくるのも実感します。県の広報誌やテレビ、雑誌でも米粉料理のレシピで米粉の魅力を紹介したら、子どもの体にもいいと好評でした。米粉の良さの1つは、天ぷらやグラタン料理などで、揚げて、時間が経ってもべたー、となりません。みんな米粉にはまっていきます。

 

 金沢の情報誌で紹介した米粉のお菓子とパンのレシピは、米粉の料理教室を広げるきっかけになりました。料理教室の参加者に聞くと、それまで米粉パンやお菓子を食べた経験はあるが、料理で米粉を使ったことがある人はまだ2割ほどしかいないとおっしゃる。そこで、グラタンなど優しい米粉料理を教わると、みんな家で作ってみると言うところまで辿りつきました。

 

 昨今の健康ブームから健康食やサプリメントで栄養のバランスを頼りがちの傾向がありますが、お米こそ栄養面からもバランスのとれたヘルシー食であることを認識する事がとても大事です。米や米粉はあらゆる食材とも相性が良く、米粉料理は 無限に広がる夢のある仕事、反響のある楽しい仕事です。これからも、石川の美味しいお米と米粉料理の美味しいレシピで米粉の普及に貢献したいと思っています。

 

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