『小麦粉にない米粉の利点、強調を』

 自宅、公民館、専門学校などでの料理教室や新聞への執筆、本、テレビでの料理紹介、料理講習会などで米粉を使った料理を広めていきたいと思っています。健康を考えた、美味しくて身体にいい、作りやすい料理、そして見栄えのよい、お洒落な料理がモットーです。安心で安全な日本の食事を守り、自給率を上げたい、という思いから米粉インストラクターの資格をとりました。

 

 米粉料理活動ですが、対象は主婦以外に、保健所、特養、学食、フリーの栄養士さん、調理員、ヘルパー、料理研究家などで、食の専門家が多ですね。こうした料理教室で米粉料理レシピを起こし、講習しています。また、保育園の栄養士、調理員を対象にした地域の講習会でも米粉料理を紹介しております。最近は、親子クッキングで小学生と米粉のクッキーの実習を行いました。お母さんは米粉を知らなかったのですが、子供たちは一生懸命に丸めて楽しそうに作っていました。夏休み講習では、簡単にできる米粉のかぼちゃ団子などを予定しています。

 

 米粉料理レシピではこれまで、ヤリイカの米粉揚げ、イサキのナッツ入り米粉揚げ、若草団子かき卵汁仕立て、米粉の小倉蒸しケーキ、米粉の胡桃ゆべし、米粉の苺蒸しパン、栗入りクリームチーズの米粉タルトなどを紹介しています。

 

 米粉の特徴は、グルテンが含まれていないので硬くならず、初心者でも上手にお菓子を作れます。クッキーは、こね過ぎてもグルテンがないので、焼き上がりが硬くならず、タルト生地でも、生地がべとつかないので麺棒なしで、簡単に延ばすことができます。クレープも、グルテンがないので、ねかさないで直ぐに焼けますね。米粉を使った揚げ物はかりっとあがり、冷めてもかりっとして、大量調理ではとても助かっています。粒子が細かく、溶けやすく、まぜやすい。特養ホームの栄養士さんからの報告では、とろみをつけた料理が冷めても離水しにくい(水が出てこない)。小麦アレルギーの代用として、添加物を含まないとか、安心、安全な米粉は、保育園などで取り組みたいとの声を多く聞かれます。

 

 アミロース含量の多い粉は食物繊維が多く、血糖値の上昇を緩やかにします。予備軍も含めれば国民の6人に1人が糖尿病という国民病の食事療法に取り入れる。これに野菜粉末を入れれば栄養価が高まるし、色素米の機能性にも着目したいですね。

 

 消費者からみた米粉の問題点と普及の課題、これからの要望と展望についてお話しします。スーパーなどでは目につくところに置かれてないか、商品がないところもある。あっても1種類。価格が小麦粉に比べまだ高い。しかし、小麦粉にはない米粉の利点を強調すべきです。もっとPRすべきです。米粉のパンや菓子が少ない。目に付かないから話題にならない。スーパーも売れないから置かない。米粉を使用したいが、特養などの集団調理にどう取り入れてよいか分からない。こんな状況ですから、現場の栄養士や地域の主婦や子供対象の料理講習会が定期的に企画されることを望みます。

 

 これからも、米粉レシピを起こし、講習会、新聞、本、料理教室などで広めていき、米粉の消費拡大を通して、食の安全さ、大切さを訴え、微力ながら自給率が上がるよう努めたいと思います。

 

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