食べて100才まで元気に!
そら と だいち の健康玉手箱
そら と だいち が
健康情報をお届けすることになりました。
そら は、4千年も稲を育てている超ベテラン。
だいち は、まだ100年の新米です。
経験豊富なそらに
だいち は、いろいろ教えてもらってます。
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人類が進化する鍵は糖質にあった
(お米はスーパーフードだった その5)(前回からつづく)
歯で分かる人の理想的な食事
日本の「医食同源」の流れは、欧米まで影響していたんだねー。
米国のスミソニアン博物館には、日本発のマクロビオティックの資料が収められているよ。
玄米などが中心の健康食として欧米に定着してるようだからね。
それにしても、スミソニアン博物館って、米国を代表する博物館じゃない。
はい。その資料によると、
毎日食べたほうがいい食べ物が、穀物(40~60%)、野菜類(少量の漬物含む)(20~30%)、豆類(加工品含む)と少量の海藻(5~10%)。
月1~2回でいいものは、肉や卵、乳製品やケーキや菓子などの糖類。
週1~2回でいいものは、果実、植物油、調味料になってる。
穀物は、確かに重要だね。
人が何をどのくらい食べたらいいのか、歯の種類でもわかるよ。
肉食動物の歯は、肉をかみ切るために、とがった犬歯しかないけれど
牛や馬などの草食動物の歯は、植物を食いちぎるための「門歯」と
すりつぶすための「臼歯」の構成になってるよ。
人は、「門歯」が上下左右で合計8本、「犬歯」は合計4本、「臼歯」は合計20本
が理想的な歯の構成になってる。
この歯の割合にもとづけば
穀類約6割、野菜2~3割、肉や魚が1割くらいだけど、
昔は進んだ精白技術がなくて全粒で食べていた分、臼歯が発達したとも考えられるから、
精白技術が進んだ今は、穀物5割ほどが理想的なんでしょう。
人の食の歴史は、歯にも刻まれてたってことだね。
そのとおり!
でも、その理想的なバランスが崩れ始めてる。
栄養学の理想的な食事のバランス
栄養学では、食事から得るエネルギー源は、
糖質、脂質、タンパク質からの3種類があるけど
理想的なエネルギー比率は
糖質からが55%
脂質からが25%
タンパク質からが15%
で、このバランスが崩れると様々な成人病につながってくると考えてる。
糖質って、お砂糖のことかな?
お砂糖は糖質に分類はされるけど、イコールではないよ。
そもそも、糖質は、炭水化物の一部。
炭水化物には、糖質と食物繊維があり
そのうち、体のエネルギーを生み出すのは、糖質。
食物繊維はエネルギーにはならないけど、様々な生活習慣予防になるもの。
糖質は、単糖類、少糖類、多糖類に分類されるよ。
単糖類は、それ以上分解されない糖類で、
ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)など。
少糖類は、単糖が2個~10個程度結びついたもので、
ショ糖(ブドウ糖+果糖)や麦芽糖(ブドウ糖+ブドウ糖)など。
多糖類は、消化性多糖類と難消化性多糖類に分かれ、
消化性多糖類はデンプン、グリコーゲンなど、
難消化性糖類は食物繊維の仲間になるよ。
(注:図表1を参照)
消化性多糖類は消化できるもの。
難消化性多糖類は消化できないものだね。
もし、糖質不足になると人はどうなるの?
エネルギー不足になって疲労感や集中力が減少したり、
ブドウ糖の供給不足が脳や神経で起こると、意識障害を起こすこともある。
その一方で、糖質を過剰にとると、エネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積されて肥満や生活習慣病の原因になる。
糖質は、不足すると危険だし、食べ過ぎでも病気の原因になるんだね。
糖質をうまく取り入れることが大切。
科学が裏付けた極端な糖質制限のリスク
最近の科学的な調査では、糖質の摂取量を減らしすぎると死亡率が上昇し、
糖質を摂り過ぎも死亡率が上がることが分かったよ。
最も死亡率が低い糖質の摂取量は、全カロリーの50~55%だったの。
(注:図表2を参照)
やっぱり50~55%!がいいんだ!
歯による食べ方やこれまでの栄養学とも一致するね!
「国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター」の調査でも、低炭水化物の食事によって死亡リスクが有意に増加することが示唆されたという結果が出たよ。
低炭水化物食群では高炭水化物食群と比較して心血管疾患による死亡リスク増加傾向が認められたそう。
また、低炭水化物食群では高炭水化物食群と比較して総死亡率が有意に高かったそう。
糖質は人にとって本当に大切なものだね。
そもそも糖質は、人類の進化に欠かせないものだったよ。
石器時代を生きていた人の祖先は、木の実や、植物の地下茎などを食べ、
そういった植物に含まれる「デンプン」が主なエネルギー源だった。
デンプンは多糖類に分類される糖質だったよね。
(注:図表1を参照)
デンプンはそのままでは吸収できないから、体の中で分解されてブドウ糖になるよ。
そのブドウ糖が各細胞に届けられて吸収されエネルギーとして使えるようになる。
ところが、約200万年前、人類は火を使えるようになって
生で食べていた木の実などを加熱するようになると、
それまで生では消化しにくかったデンプンが消化しやすくなった!
すると、ブドウ糖をたくさん細胞に届けられるようになり、
特に、ブドウ糖を必要とする脳に大量に送られるようになったよ。
それで急速に脳が発達できたってわけ。
火を使えるようになったことは、人類にとって大きな革命だったんだね。
生で木の実を食べていた約700万年前から200万年前の約500万年の間に比べ、ホモ・エレクトスが火を使って調理を始めた頃を境に、脳は急速に大きくなっていったよ。
(注:図表3を参照)
火を使って糖質をたくさん吸収できたことが脳の進化を促し、知性やコミュニケーションの獲得や発達に繋がっていったのね。
糖質は人類には欠かせない。進化の源なんだ!
やっぱりお米はいいね。
お米はアミノ酸(※1)も豊富だし食物繊維も含まれてる。
玄米には、ミネラル(※2)や糖代謝に欠かせないビタミンB1も豊富だから
毎日食べてもらいたいね。
(※1)アミノ酸とお米→第1回へ
「https://cap-net.jp/column/202112/」
(※2)ミネラルとお米→第3,4回へ
第3回 お米は、美と若さのカプセル
「 https://cap-net.jp/column/お米はスーパーフードだったの巻 その3」
第4回 必須栄養素で米食が現代人を救う
「 https://cap-net.jp/column/必須栄養素で米食が現代人を救う」
血糖値をあげにくい食べ方もいろいろあるから、工夫して毎日おいしく食べてほしいな。それが健康につながるからね。
次回につづく
参考文献
・「医師たちが認めた玄米のエビデンス」 Kindle版 渡邊昌監修 (veggy Books)
・食剤師教育プログラム テキスト (デザイナーフーズ株式会社)
・E―ヘルスネット(厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト)
・「世界が認めた和食の知恵」持田綱一郎著(新潮新書)
・「米と日本人」(静岡新聞社)
・NHKスペシャルまとめ記事サイト
https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pbGxzkWJY2/
・国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 糖尿病研究センター サイト
NPO法人農都会議理事
トル―・エコライフ株式会社代表取締役
健康・環境ライター、ヨガインストラクター、食剤師
環境や健康ジャンルの雑誌記事などを20年以上担当。
小麦粉製品を長年食べ続けて体調を崩した経験から
米食中心の食事スタイルを心掛けている。
フリーライター
中村いづみ