◊米粉の機能性食品としての魅力と可能性-こまっちプリンなど-

開発の目的

 秋田県は日本有数の米の産地であるが、消費の低迷が進み基幹産業が脅かされつつある。その一方、食の欧米化が進む中、ライフスタイルの変化から生活習慣病の懸念が高まり、特に糖尿病、高血圧などの生活習慣病への対策が国を挙げて展開されている。そうした中で、当社は秋田県総合食品研究所と共同研究を重ね、米と大豆の穀類由来の機能性を活用した生活習慣病症候群に対する栄養機能食品を開発し特許を出願した。今回当該事業を活用し、開発した栄養機能食品の製品化とマーケティングを展開し、消費が低迷する米の付加価値を高め、高齢化社会の豊かな食のライフスタイルを提案している。

地域社会の背景

 秋田県は良質・豊富な水に恵まれ、田んぼの土は美味い米づくりと多収に適し、農家は稲づくりの技に熟練している。こうした最適な条件が幾十にも重なり合って、秋田米の美味しい粘りとツヤを生んでいる。秋田のお米の生産量は60万トン、新潟、北海道に次いで全国3位の生産量を誇っている。

産地・地域の現状と課題

 あきたこまちは全国でも有数のブランド米であるが、近年減反や消費が落ち込み、転作としてリュウホウ大豆が作付けされている。加工適正も良いことから米や大豆の機能性を高めた食品開発を推進し、地域経済の活性化を図ることが課題となっている。

開発着手の経緯

 食生活が欧米化したことなどライフスタイルの変化により肥満や糖尿病、高脂血症など生活習慣病増加の一因となっていると指摘されている。この様な状況下で普段の食事から、生活習慣病の予防のための生理機能を高める食品の開発が必須となっていた。  また、最近の研究では、胚芽と胚乳の間にあるフェルラ酸があり、脳の海馬組織の炎症を抑える働きがあり、アルツハイマー予防として産学で研究を続けている。

製品の概要

 生理機能を有する栄養機能食品を開発・販売「栄養機能食品=①米と大豆で活性酸素を消去+②栄養機能」
①活性酸素消去機能:米と大豆の相乗効果による生理機能を活用した活性酸素消去機能で特許出願:「活性酸素消去機能を有する米の加工食品及び活性酸素消去機能が高められた食品並びにその製造方法」(平成22年1月 特許第4431783号)
②栄養機能:生理活性のある栄養機能を有するビタミン類、ミネラル等の添加

事業課題

 秋田県と地元銀行の支援で“2011”フードエキスポ香港に出展、米粉スイーツの商品の試食商談を行った。香港や中国本土のバイヤー、デストロビューターに対しアンケートを行ったが、基本的に美味しいし健康志向のコンセプトも理解できる旨、今後の香港における製品開発でブランド化、量目、商流、物流の詰めをすることになった。海外戦略の初めてのケースなので、商談先の要望を形にするべく研究開発を進めたい。

製品戦略/製品名など

 米粉プリン(お米deぷりん)ほうれん草、生姜、かぼちゃ、抹茶、大豆、黄粉、小豆等のフレーバーで相乗効果を謳っている。