Healthy Column

食べて100才まで元気に!

そら と だいち の健康玉手箱

稲を育てる妖精の
そらだいち
健康情報をお届けすることになりました。
そら は、4千年も稲を育てている超ベテラン。
だいち は、まだ100年の新米です。
経験豊富なそらに
だいち は、いろいろ教えてもらってます。

稲を育てる妖精の
 そらだいち
健康情報をお届けすることになりました。
     そら は、4千年も稲を育てている超ベテラン。
だいち は、まだ100年の新米です。
経験豊富なそらに
だいち は、いろいろ教えてもらってます。

老化や病気を防ぐ米食

(お米はスーパーフードだった その7)(前回からつづく)

あらゆる病気や老化の真犯人はAGE

〇だいち

水溶性食物繊維豊富な麦ごはんは、
まるで長寿薬のようだったね。

〇そら

いろいろな効果がある中で、
やはり大切なポイントは、
血糖値をあげにくくするっていうこと!

〇だいち

血糖値が高いと、いろいろな病気にかかりやすくなるからね。

〇そら

ブドウ糖は、体に必要なものだけれど、
過剰なブドウ糖が体の中にただよっていると
タンパク質や脂肪と結びついて
不良化するのよ。それが糖化と呼ばれている。

糖化によってできるのが
AGEs(Adovannced Glycation End Products)
= 終末糖化産物といわれるもの。
これは、あらゆる病気や老化の真犯人だと突き止められている。

骨のタンパク質が糖化すると →骨粗しょう症に
脳内の細胞にたまったタンパク質が糖化すると →認知症やパーキンソン病に
グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素が糖化すると酵素の機能が低下し →動脈硬化や腎不全に
DNA修復酵素が糖化すると →ガン発症の確率があがり 
目のタンパク質が糖化すると →白内障に
皮膚のコラーゲンが糖化すると →シミやシワをつくったり
…という風にね。

だから、血糖値をあげない工夫はとても大切。

血糖値をあげないようにご飯を食べる方法は、いろいろあるよ。

・食物繊維の混ぜご飯・・・前出の麦ごはんのほか、大根やひじきなど食物繊維の多い素材を混ぜて炊く

・冷ごはん・・・ご飯はいったん冷えると消化しにくくなり糖分の吸収もゆっくりになるから血糖値も上がりにくくなる。それは冷凍ご飯も同じ。
温めなおしても、その性質は変わらないからご飯をまとめて炊き冷蔵庫や冷凍庫で保存し温めなおして食べる。

・すし飯・・・アルファアミラーゼの酵素の働きを弱め消化を遅らせ血糖値の上昇を抑える

・スパイス添加・・・カレー粉のようなスパイスも、消化酵素の働きを抑えて消化を遅らせて血糖値をあげにくくしてくれる。

・野菜ファースト・・・野菜や肉や魚を先に食べて、ご飯などの炭水化物は食事の後半部分から食べると血糖値があがりにくい。

血糖値をあげにくくするご飯の組み合わせもあるよ。

ご飯のGI値を100すると
うなぎとご飯は 89
カレーご飯は 82
酢のものとご飯は   75
味噌汁とご飯は 74
納豆とご飯は 68
あじのさしみとご飯は 67
とろろかけご飯は 57
豚の生姜焼きとご飯は 56
あじの南蛮漬けとご飯は 56

〇だいち

やはり酢はいいね。
あじの南蛮漬けもマリネの一種のようなものだね。

〇そら

天然の醸造酢には、血糖値を下げたり、食品中のAGEsを下げたり、血圧を下げる効果もあるよ。疲労回復にもいいしね。

低AGE値のご飯、AGE値を下げる玄米茶

〇そら

食品の中には、もともとAGE値が高い食品があるから気を付けないとね。

ご飯は、9KU(100g)と、AGE値は低いよ
(KU=キロユニット)

12分間ゆでたパスタ 242 KU(100g)
8分間ゆでたパスタ 112 KU(100g)
食パン 21 KU(90g)
パンケーキ 2037 KU(90g)
ワッフル 2583 KU(90g)
ドーナツ 4221 KU(90g)

フライドポテト 1522 KU(100g)
(ファーストフード)

牛肉(生) 707 KU(90g)
牛肉のステーキ(フライパン) 10058 KU(90g)

フランクフルト(ゆでる) 7484 KU(90g)
フランクフルト(直火焼き) 11270 KU(90g)

チキン カツ  8965 KU(90g)
(25分間揚げる)

マグロ 827 KU(90g)
(25分間焼く)

バター(スイートクリーム) 23340 KU(5g)
マヨネーズ 9400 KU(5g)
しょうゆ 360 KU(90g)

以上のリストでも分かるように
AGEは、高温で調理するほど、また時間を長くかけて調理するほど高くなるよ。

〇だいち

ご飯のように炊いたり蒸したりする調理方法のほうがAGEが低くなるんだね。
揚げ物は、ほどほどにしたほうがよいね。

〇そら

AGEsの高い食品には善玉と悪玉があるよ。
じつは、時間をかけて発酵させた食品もAGE値は高くなる。
たとえば、しょうゆ、味噌などね。
でも、こういった発酵食品は、逆に体の中でAGEsができるのを防いでくれるよ。

発酵食品の中で一番AGEsの生成を減らしてくれるのが、豆味噌。
お茶も、AGEsの生成を減らしてくれるよ。

お茶の中でベスト6は
1位  玄米茶
2位 緑茶
3位 甜茶
4位 クロモジ
5位 ドクダミ
6位 ジャスミン

〇だいち

玄米茶は優秀だね。

〇そら

玄米に多く含まれているビタミンB1やB6も
AGEsの生成を抑えてくれるよ。

主食でアンチエイジング

〇そら

ウナギ、鶏肉、マグロなどの肝臓や筋肉に多く含まれる
「カルノシン」という抗酸化力の高い物質も
AGEを押さえてくれる。

大豆に多く含まれる「イソフラボン」や
ブルーベリーに豊富に含まれる「アントシアニン」というポリフェノールの一種もAGEを減らしてくれる。

ポリフェノールのような抗酸化物質は、老化を防いでくれ
動脈硬化やガンなどの病気の原因になる活性酸素を減らしてくれるよ。

〇だいち

抗酸化食品は、毎日取り入れたらいいね。

〇そら

赤米や黒米、タカキビ、モチキビ、小豆、黒大豆、紫大豆なども
ポリフェノールをとても多く含み、抗酸化力が高いよ。
(参考資料1~3内の図表を参照)

だから、
白米や麦ごはんに
抗酸化力の高い色素米や雑穀などを加えることで
毎日の主食をサプリメント化できる。

〇だいち

毎食、抗酸化力が高められるってことだね。

〇そら

混ぜる目安は、1合に大さじ1杯くらい。

〇だいち

麦ごはんは、白米7に対して押し麦3ぐらいの割合がおススメだったね。
そんな麦ごはんや玄米に赤米や小豆などを大さじ数杯足すだけだから
簡単だね。

次回につづく

参考資料

 

1 紫黒米・赤米・緑米の抗酸化活性と関連形質の品種間差異

小林 祐太*・Tuty Anggraini・長尾 則男・吉野 智之・猪谷 富雄

(県立広島大学大学院総合学術研究科生命システム科学専攻)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsproc/234/0/234_118/_pdf/-char/ja

 

2 古代米など雑穀の機能性(愛媛県庁公式ホームページ)

https://www.pref.ehime.jp/h35118/1707/siteas/11_chishiki/documents/11_04_01_931.pdf

 

3 愛媛県産地域農産物の抗酸化能および総ポ リフェノール含量による評価

伊藤史朗 水 口 聡※ 石々川英樹

https://www.pref.ehime.jp/h35118/1707/siteas/13_bulletin/documents/21_7.pdf

 

4 「医者が教える食事術 最強の教科書」(牧田善二著 ダイヤモンド社)

 

5 「最新医学が教える 最強のアンチエイジング」(米井嘉一著 日本実業出版社)

 

6 「低GIレシピ」(林進監修 法研)

 

     
執筆者プロフィール
NPO法人国内産米粉促進ネットワーク常任理事
NPO法人農都会議理事
トル―・エコライフ株式会社代表取締役
健康・環境ライター、ヨガインストラクター、食剤師

環境や健康ジャンルの雑誌記事などを20年以上担当。
小麦粉製品を長年食べ続けて体調を崩した経験から
米食中心の食事スタイルを心掛けている。

フリーライター
中村いづみ