2015年06月09日 活動報告

CAP.N平成27年度通常総会内容

「CAP.N」平成27年度通常総会で全議案を承認

米粉懇話会では宮腰議員の講演とコンテスト受賞者の座談会

2015総会全体写真HP用

 

 

「NPO法人 国内産米粉促進ネットワーク」(CAP.N)は、6月4日、衆院第2議員会館第1会議室で「平成27年度通常総会」と引き続いて「米粉懇話会」を開きました。同総会では、提出した6議案を承認し、懇話会の第1部では、宮腰光寛衆院議員が「農政改革と米粉推進」と題して講演、第2部の「米粉料理コンテスト受賞者のみなさんと知りたい、聞きたい」座談会では、26年度の全国決勝大会参加者と審査委員で、レシピや作品作りで苦労した点などを披露しあいました。

 


 

同通常総会には、議決権を持つ正会員ら50人あまりが参加しました。まず、同法人を代表して島田圭一郎理事長があいさつをしました。

総会島田理事長挨拶HP用

 

 

米粉需要拡大へ、道なき道を切り開こう

 

イタリアでは「ミラノ万博」が開かれており、世界の皆さんに持続可能な日本の水田農業や、そこで育まれた文化を知ってもらう良い機会だと思います。しかし現実には、我が国農業、特に水田農業は内憂外患の状態にあります。

1つは迫りくるTPPで、漏れ伝わるところによれば、屈辱的な妥協の恐れが高まっている、とされています。米及び米粉の調製品をこれ以上輸入するなどは全く論外です。第2は、米価がかつてない危機的な状況になっていることです。大規模農家からも、すでに大幅なコスト割れで地域農業は成り立たない、という悲鳴が聞かれます。今年の民間在庫も過大で、危機打開に産地は必死です。

このような厳しい構図がありますが、中長期的に考えても世界の食料の争奪戦はより激しくなります。そうした中で、貴重な水田を守り国民食料の確保をしていくには多様な需要創出が必要です。「米粉の名人」料理グランプリもその一つで、今年度も計画承認されました。3回目の今年度は皆さんや関係者の力を借りながら過去最大の応募となるよう大きく伸ばしていきたい、と考えています。

米粉産業は未成熟ですが、皆さんの知恵を集約することで(成熟が)可能となります。熊本県の阿蘇熊本空港ホテルエミナースでは、ランチバイキングに米粉料理コンテストの作品がメニュー化されています。食物アレルギー対応という大きな役割も認知されてきています。どうか皆さん、志しを強くして、道なき道を切り開く努力を、CAP.Nともども進めて行っていただきたいと思います。


 

この後、事務局から総会が定款による定足数に達していることを報告し、議長に正会員の中から富田孝好氏を、議事録署名人もそれぞれ選任して議案提案と審議、採択に入りました。

第1号議案の平成26年度事業報告と第2号議案の同収支決算報告、第3号議案の同監査報告を一括提案、拍手で了承されました。続いて第4号議案の平成27年度事業計画(案)と第5号議案の同収支予算(案)を一括提案し了承され、

最後に第5号議案の理事辞任にともなう役員変更について(案)についても了承されました。


 

同通常総会に引き続き「米粉懇話会」が開かれ、約60人の参加者は、講演や座談会に熱心に耳を傾けていました。

第1部では、衆院議員の宮腰光寛氏(自民党農林水産戦略調査会会長代理、自民党農業基本政策検討PT座長)が、「農政改革と米粉推進」と題して講演をしました。

宮腰議員写真HP用

食物アレルギー対応や介護食品に米粉拡大の可能性

 

(政権復帰後の)自民党は、農政改革の課題として米政策の改革、農地の集積、日本型直接支払い制度の確立などを掲げている。

米の消費が減り続けている中で、日本の水田を守っていくためには、主食用米の生産調整をしっかりやる必要がある。同時に主食用米に頼らない水田農業にしなければならない。米粉用米、加工用米、飼料用米などの主食用米以外の米をしっかり安定して作っていくことが重要だ

新規需要米に入る米粉用米については、3月末に閣議決定した新たな「食料・農業・農村基本計画」の中で、生産努力目標として10年後に10万㌧を掲げた。これについては確実な達成をめざす。米粉用米の生産は残念ながらピーク時の半分に減った。需要は増えているのに生産量が半分になったということは、在庫で賄っているということだ。今後は、在庫を使っているという状況から脱却し、米粉の利用拡大を図るためには、製粉コストの低減、消費者に魅力ある米粉製品の開発とアピールが課題となる。

最近は、新たな米穀加工品として「米ピューレ」「米ゲル(ゼリー状)」などの技術開発も進み、新商品として市販もされている。粉という状態ではなく、ピューレまたはゲル状の形で普及を図り、コストを下げていくことも重要だ。米ピューレなら家庭のパン焼き器でも使えるのではと思う。ゲルも条件によっては様々に加工できるのも持ち味なので、粉状だけではなく、それ以外での普及の活用を図っていく必要があるのではないか。

日本産食品の安全性は世界中で評価されており、特に米は小麦やソバと異なり、アレルギーがまったくない。欧米では小麦アレルギーが大きな問題になっている。米粉の潜在需要はどんどんできると思う。これからの販売戦略として、介護食品(スマイルケア食品)に新たな市場を見出すこともできるのでは。食品産業界もこのスマイル食品に大きな関心を示しており、これからこの分野は間違いなく伸びていくだろう。

今年の6月1日から運用が始まった地理的表示保護制度(GⅠマーク)を活用して、単品の売り込みだけでなく、食と農と景観をセットで地域の魅力を発信していくことも大切になる。国内産米粉促進ネットワークの皆さんの力で、ぜひとも米粉の需要を増やしていただきたい。

<宮腰議員の講演資料PDFはここをクリック>


 

第2部では、第2回全国米粉料理コンテストの地区決勝大会で優秀な成績を収め、全国決勝大会に進出した3人の方々に色々お話をお聞きしました。

座談会全体写真HP用

 

(座談会出席者)

 

石井ゆかさん 第2回全国米粉料理コンテスト全国グランプリ受賞(主婦)

「ホタテ貝柱と彩り野菜の黒米粉キッシュ」

末岡貞之さん 同中国・四国地区グランプリ受賞(㈲木村有機農園)

「むらげの田守のピリ辛おろち麺」

中村祐希さん 同関東・甲信越地区準グランプリ受賞(東京家政大学生)

「米粉点心」

長谷川実穂さん 第2回全国決勝大会審査委員(国立病院機構相模原病院

管理栄養士)

・進行:萩田 敏(CAP.N副理事長)

 


応募した作品で苦労した点やどのような場面で食べてほしいですか。

石井ゆかhp用

 

誰でも食べられる生地の厚さに試行錯誤

石井さん:この作品は、一緒に食事をしたある企業の方が、定年退職後にアレルギーになり、みんなと外食する時、彩りのきれいな料理を食べたい、という話を聞いたことがきっかけです。外側は黒米の玄米粉、ソースは米粉と豆乳だけだと、とろみを出すまでに時間がかかるので、米粉のフレークを入れていったんふやかしました。小麦粉と違ってどこか懐かしいおこげのような風味が出るように工夫しました。アレルギーのある方もない方も食べられ、なおかつ初めて食べる味を作ってみたかったです。難しかったことは、長方形のものを焼いたことがなかったので、お年寄りや子供たちが食べられる生地の厚さをどうするか、試行錯誤して焼き上げました。

末岡貞之HP用

6次産業化にベストな米粉麺100%商品

・末岡さん:基本は田んぼを守りたい、ということでした。島根県雲南市の標高500㍍の稲作専業農家らが耕作放棄化していくのをどうにかしたい、と考えたのが始まりでした。農園の代表者である木村(晴貞氏)が、「道の駅」で10割そばを売っているなら、10割で米粉麺を作ろうといろいろ試した結果、100%米粉麺商品を作ったことによって希望が湧いてきました。最近の米価下落で、3戸の農家が田んぼで米を作ってほしいと、言ってきていますが、(耕作放棄地にしない)対応が可能だと思っています。この商品は、農家が6次産業化に取り組んでいくのにベストな商品と感じています。

中村祐希HP用

ヤマトイモを生地に使いもっちり感

・中村さん:このレシピは、食物アレルギーの方に提供したい一心で作成しました。大学では、米を通してアレルゲンフリーの商品開発を手掛けています。そのきっかけは、自分の身のまわりに7大アレルゲンのほとんどが食べられない人がいたからです。最初はスイーツを中心に、その後、おかず(副食)について個人的に家庭でも始め、試作を重ねました。この作品は、アレルギーを引き起こすものを減らし、そうとは感じさせないように米粉の素材や味付けにこだわりました。具体的には、米粉を使いながらふくらみ出すためにヤマトイモを生地に使いました。これで、もっちり感を出すことができました。大学祭で店頭に並べたらすぐに売り切れてしまいました。美味しいといっていただけたのが嬉しいです。

長谷川実穂HP用

アレルギーのある人もない人も美味しく食べられるメニュー

・長谷川さん:今回の審査を通じて感じたことは、小麦粉に置き換えて米粉を

使うのではなく米粉の特性を生かし、米粉だからこそ美味しくできるメニュー

が多かったことでした。見た目も華やかで、自由な発想で、和中洋の料理が見られたし、特に共通していたことは、アレルギーのある方が食べられるということではなく、ある方もない方も、美味しく食べられる、みんなで一緒に食べられる・・・そういうメニューが多かったです。家庭でお母さんたちが米粉料理で失敗しがちなところを上手に補い、サクッと、ふわふわと、仕上げていました。米粉麺についても、市販のものは歯切れはいいが、歯ごたえのないような麺が多い中で、グランプリに出された米粉麺のメニューは、食感にインパクトがありました。


こんなことをすれば失敗しない、というアドバイスがあれば教えて下さい。

・中村さん:他の出場者の方もそうだと思いますが、ヤマトイモと同じくイモ類を使うことで、米粉のまとまりがよくなっていき、料理しやすくなります。ふわふわ、もっちり感が出ます。これには、米粉の量と加水量も大きく関係してきます。最近感動したのは、学内で米粉を使った天ぷらを食べた時です。米粉の天ぷらはお薦めです。

 

末岡さん:製品化のポイントは、高アミロース米でないと、100%の麺ができない、ということです。色々な米粉を使いましたが、なかなかつながらず、ブチッと切れてしまう連続でした。高アミロース米に出会い、工夫した結果、お湯の中に2,3分入れただけで食べられる麺になり、コシがあり、食感良く、常温で3か月変化せず、今も6か月経っても伸びにくく、日持ちすることも分かりました。和、中、洋食、イタリアンのパスタの、いずれにも向きます。3月から「道の駅」にも100㌘パック280円で売り出したが、1か月の来客数9,230人の2割近い、1,660食売れました。可能性のあるおもしろい麺です。

 

石井さん:失敗しない方法は、ホワイトソースは、濃く作って、後で薄めて調整するのがポイントです。米粉は、ケーキでも冷凍して解凍しても風味が変わらない良さがあると、思います。

 

・長谷川さん:米粉自体の普及には、米粉で作られる加工食品ができれば、と思っています。それを家庭でも真似ることで可能性が出てくるのではないでしょうか。食物アレルギー対応以外にも、これからは、介護食、病院食として、嚥下障害、誤嚥性肺炎を防ぐために必要となってきます。料理の苦手のお母さんもいますので、色々と広く情報交換の場を作り、特別の人だけのためではない、ユニバーサルな米粉の使い方を考えていったらよいのではないでしょうか。


懇親会で情報交換

通常総会、米粉懇話会終了後、衆院第2議員会館地下の「西洋フード衆院第二会館店」で懇親会が開かれました。製粉会社、製粉機械メーカー、広告代理店、専門紙それにCAP.N役員など関係者30人余りが、自らの米粉情勢報告を行うとともに、熱心に意見交換しました。

総会懇親会写真HP用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             

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