『油を使わない焼きドーナツを開発』

 小さな製粉会社でもこれだけ頑張っているんだ、ということを話します。住宅設備工事会社を25年間やってきましたが、主人の「これからは米粉だ!」という声で、一昨年から倉庫を改築して米粉製造プラントを導入、米粉の製造、米粉商品の販売を始めました。  そこでは、スーパーなどを回り、農家と契約する付加価値をつけた野菜や米の加工品も勉強しました。そして、自分でも農業していた時に感じていたことですが、規格外の野菜や米を何とか出来ないのかということでした。  まずは、原料の米粉用の米の確保です。苦労しましたが、新潟県主食集荷商業協同組合から米粉用魚沼産コシヒカリ(新規需要米)43トンを手に入れました。大手と違い小さな会社なので、希少価値のあるものを作ろうと、まずは発芽玄米にターゲットを絞りました。自社で手間ひまかけ、本当にいいもの作っていこう、と。これが本社のポリシーです。次の課題が製粉機械です。これも主人が東京ビッグサイトの展示会まで足を運び、ひとめぼれした機械を購入しました。  現在、販売する米粉は、魚沼コシの米粉、玄米粉、発芽玄米粉の3種を主体にしていますが、この5月からは新たに発芽玄米の焙煎(ばいせん)も開発しました。販売方法ですが、米粉はできたが、どうやって売っていいのか。何のルートもない。新たな壁にぶつかりました。米粉の良さを分かってもらおうと、東京のマルシェなどに出展しながら、お客さんの生の声を聞きました。その結果分かったのは、都会の人は「米粉って何?」「どうやって使うの?」と認知度が低かったことでした。  米粉の販売ではまだ大口の取引はありませんが、パンの小売店を中心に小口の取引が多数あり、インターネット販売も確実に増えてきています。そこで今度は、米粉の加工食品を作って販売しようということで、毎日試行錯誤の積み重ねの連続でしたが、昨年からはOEMですが、レトルトカレーやパスタ、麺も作り、加工メーカーに持っていきました。  今も手探ぐりの日々ですが、そこで、今年4月から製粉工場内の一画に菓子製造室を設け、女の目線で開発し、販売したのが、魚沼産コシヒカリの米粉を100%使った油を使わない焼きドーナツ「コパドーナツ」でした。これはカロリーが低くてもちもち、しっとりしているのが特徴です。現在は、各地で開催されているイベントに参加してPR活動をしていますが、大変美味しいと好評です。試行錯誤を繰り返しこだわり抜いた自信作です。今後は関東エリアを中心に販売の拡大を計画しております。  この2年間、素晴らしい世界と思って飛び込んだのに、あまりに普及度の低さに愕然(がくぜん)とする毎日ですが、自分たちは米粉が大好きで始めた仕事です。小麦アレルギーでお菓子が食べれない子どもが、美味しそうに食べてくれた笑顔が忘れられません。なんてやりがいのある仕事だろうか。米粉がどんどん広まってくれればいいな、と思っています。  2年間はあっという間でしたが、素晴らしい人たちとお会いでき感謝です。これからも、「コパドーナツ」を中心に、美味しい米粉パン、米粉スイーツが手軽にどこでも買えるよう、米粉を広くPRし、普及に頑張っていきます。

 

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