長崎県東彼杵郡波佐見町での米粉による6次産業化情報
長崎県波佐見町は、江戸時代から大村藩の穀倉地帯として栄え、現在でも北東部に広がる棚田などの中山間農業と、大区画圃場での大規模農業が融合する地帯です。
波佐見町は農業とともに、窯業が盛んな地域で特に陶磁器産業においては日用食器の全国シェア13%を誇る波佐見焼でも有名な地であり、近年若い女性を中心として観光客が年々増え続けている観光地でもあります。
一方、佐賀県・長崎県の肥前窯業圏の日本遺産を契機とした事業展開や、長崎県内の「明治日本の産業革命遺産<平成27年度世界遺産登録>」*1と、さらに令和2年度には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」*2が世界遺産に登録されております。
このように、長崎県に位置する波佐見町は、農業・陶磁器文化・明治の産業革命世界遺産・キリシタン関連世界遺産を包摂する文化・文明が交錯集積する独特な風土を持っています。
*1 「明治日本の産業革命遺産<平成27年度世界遺産登録>」(長崎市)
https://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/840000/843000/p030626.html
*2 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界遺産登録公式ウェブッサイト
(米粉による6次産業化)
今回、この波佐見町地域で実施されました米粉による6次産業化事業をご紹介しましよう。まず、米粉専用米(ミズホチカラ)を波佐見町米粉生産農家の方に栽培を依頼し、長崎県下では、ほとんど前例のない地場産で高品質な米粉用米を実現しました。
また、波佐見焼制作の際に出ます石膏を利用した農業用リサイクル品として土壌改良剤を導入し、リサイクルも実現させております。
さらに新規製粉工場を建設し、気流粉砕機導入による微細米粉の製造も手掛け、米粉による新規加工品のための加工品製造所も設け、出来上がった米粉加工品を販売する市場開拓まで、一気通貫に行う6次産業化を実現させております。
具体的な米粉加工品は、微細米粉を使用したクッキー(波佐見焼陶磁器を器として使用した商品の実現),さらにシフォンケーキ、カステラ、また波佐見町内に開業したベトナム料理店でのメインメニューである「米粉麺(フォー)」の製造、飲食店メニューで提供していますピザなども新たに米粉を採用しております。
さらにα化米粉を添加した腐りにくく、消化もよく、長期間保存にも適した商品開発にも取り組む予定をしているとの情報ももたらされております。